経済成長が著しいインドネシアではビジネスの急速な発展が注目される。そうした中でより自分らしく、忙しい毎日から逃れてゆったりとしたライフスタイルを送りたいと考える人々が増えているようだ。

インドネシアの大手一般紙であるコンパスは12月9日、「静かな生活を送るのに最適な10のインドネシアの地域」と題した特集を掲載した。リタイア後の生活やスローライフを送るのに最適なインドネシア国内の地域が紹介されている。

調査では生活費、福祉、安全、交通、環境、健康、デジタルインフラ、ガバナンスを代表する22の変数から分析。特に、快適さと生活の質を支える基準が高く評価されたという。

トップに立ったのは中部ジャワ州のクドゥ・ラヤだ。この地域はプルウォレジョ県、テンガーング県、マゲラン県、ウォノソボ県、マゲラン市を含むエリアとして知られており、スローライフを送るのに最も理想的な都市としてランクインした。

コンパスの調査は実際にSNSユーザーとの意見とも相違がないという。同紙によると、ネットユーザーの10人に1人が中部ジャワ州の「ソロ(スラカルタ)・ラヤ」を、老後の静かな暮らしのための理想的な場所として挙げている。2024年10月1日から11月21日までの期間に、さまざまなSNSプラットフォーム上で3,109件の投稿が分析され、その中で最も多く言及された都市がソロだったということだ。

ネットユーザーに人気の都市ランキングでは、ソロに続き、マラン、ジョグジャカルタ、プルウォケルト、サラティガが挙げられている。特に安い生活費や美しい自然環境が評価されている。

個人的な理由も

人々が都市を選ぶ基準は環境や経済的な理由以外にもある。元々の故郷であるとか、過去に住んでいてことがあるといった個人的な経験からだ。

調査によると、ジャカルタ、ボゴール、タンゲラン、ブカシ(Jabodetabek)に住む45歳以上の住民の10人に1人が、以下の地域に移住している。

バニュマス・ラヤ(10.83%)
プカロンガン・ラヤ(10.74%)
ソロ・ラヤ(9.84%)

これらの移住者のうち、5人中4人は過去にこれらの地域に住んでいた経験があるという。

安い生活費も、これらの地域に移住する大きな理由の一つだ。たとえば、バニュマスの生活費は、1か月あたり949,403ルピア(約9,000円)と試算されている。

ジャボデタベック(Jabodetabek)在住の45歳以上の住民の移住先(2017年~2022年)

『Kompas』は、2017年から2022年の間に、ジャカルタ首都圏(Jabodetabek)在住の45歳以上の住民が移住した主な都市や地域を追跡。この調査では、都市部から地方都市への移住動向が明らかになった。

彼らが移住した主な都市/地域は、前述のようにバニュマスやプカロンガン、ソロが上位を占めており、都市部から地方への移住トレンドが浮き彫りになっている。

コンパス紙が特集した地域のポイントは以下の通り。

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順位地域名地域特徴スコア
1クドゥラヤ (Kedu Raya)プルウォレジョ県、テンガーング県、マゲラン県、ウォノソボ県、マゲラン市スローライフに最適。文化的魅力と静かな環境。インフラ充実。70.7
2タシクマラヤ・ラヤ (Tasikmalaya Raya)タシクマラヤ市とその周辺地域生活費が安く、静かで平和。バンドンやジャカルタに近い。67.2
3バニュマス・ラヤ (Banyumas Raya)プルウォケルト、チラチャップ、バニュマス、ペマラン、テガル生活費が安い(949,403ルピア/月)。交通の要衝。63.3
4マラン・ラヤ (Malang Raya)マラン市、バトゥ市、マラン県観光地で温暖な気候と自然が魅力。医療と交通利便性が高い。61.5
5ケドゥンセプル (Kedungsepur)スマラン市、デマック県、クドゥス県、グロボガン県、ケンダル県、ジェパラ県中央ジャワの経済拠点。商業・産業のハブ。インフラ整備。59
6ソロ・ラヤ (Solo Raya)ソロ(スラカルタ)市、スコハルジョ、ボヨラリ、クラテン、カランヤル古都の魅力。静かで平和。鉄道とバスターミナルが便利。58.01
7バンドン・ラヤ (Bandung Raya)バンドン市、バンドン県、チマヒ市、西バンドン県西ジャワの経済拠点。ファッションと教育の中心。移住者が多い。57.34
8ケディリ・ラヤ (Kediri Raya)ケディリ市、ケディリ県、ブラタル県地方経済のハブ。静かな環境。農業と観光が主要産業。57.09
9ブカパリパタル (Bukapalipatar)ブカシ、カラワン、パティ、バンタル工業地域が多い。交通と商業の利便性が魅力。58.94
10タパル・クダ (Tapal Kuda)シトゥボンド、プロボリンゴ、パシルルアン、ボンドワソ、ジェンバー自然景観が豊かで観光業が発展。東ジャワの沿岸部を含む。58.96
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